生田でのくらしと全国一宮めぐり

小國神社 遠江國一宮

小國神社 遠江國一宮
祭神 大己貴命
所在地 静岡県 周智郡森町
最寄り駅 遠江一宮駅

2024年の春弥生、遠江国一宮の小國神社を訪れた。
これで静岡県を構成する三国である伊豆、駿河、遠江を制覇である。

掛川で新幹線を降りて、天竜浜名湖鉄道というローカル線に乗り換える。
1両編成の気動車にしばらく揺られて遠州森駅につく。

こんな景色の中を進む
遠州森駅
遠州森駅

ものすごい田舎だ。昭和を感じさせる駅でタクシーを呼んで神社に向かった。
ものすごい山の中の道をゆく。運ちゃんは80代だろうかというくらい草臥れている。
そしてよく喋る。運ちゃん曰く、遠州一宮は目指す小國神社とは別になんとかいう神社もあるらしい。

しばらくすると目指す小國神社に到着した。
読み方は「おぐに」ではなく「おくに」だ。

参道の入口あたりに商店が整備されている。小國ことまち横丁という。あとで寄ってみよう。
参道は立派な並木道で厳かな雰囲気を醸し出している。

小國神社参道の並木道

こちらの祭神は大己貴命、いわゆる大国主命である。
御由緒によると欽明天皇の御代というから6世紀に、この神社の北にある山に神霊が鎮まり人々が祭祀を始めた。
「小國」とは、「神を祀る神聖な場所」「神が鎮まる神聖な場所」を意味するらしい。
決して「おおくに」⇒「おくに」ではないのだ。

参道を抜けると正面に拝殿、右には趣のある舞殿、左に社務所だ。
10円を喜捨して社務所で御朱印をもらった。

拝殿と舞殿
打ち出の小槌

帰路につく。
参道の入口にあった商店によってみた。
平日にも関わらず数店舗は営業していた。
どの店も新しく近年整備されたようだ。大したものだ。
りんご飴が名物らしいから食べてみた。うん、りんご飴だ。

小國ことまち横丁
りんご飴屋

帰りは神社の最寄り駅であるその名も遠江一宮駅まで歩くことにした。
所要時間は50分、決して近くはないし歩く人はいないだろう、しかし最寄りなのだ。
遠州ののどかな風景の中をひたすら歩いた。

こんなところに駅なんかあるのだろうか…
不安な気持ちになってきたとき、その駅はあった。
冗談みたいに古ぼけている。駅舎は戦前に建てられたものらしい。

遠江一宮駅
登録有形文化財です

天浜線に乗って西鹿島という駅に移動し、その日の宿である森の家へ。
このあたりは二俣といって天竜川によって形成された扇状地の扇頂である。
宿泊した部屋からはのっぺりとした遠州平野を見渡すことができた。

だいこく様〜大国と大黒〜

このお社の祭神は大己貴命つまり大国主命である。偉大なクニの主、天孫降臨前の下界の主神であり出雲の大社で祀られている。だいこく様ともいう。

一方、同じ「だいこく」でも大黒様というのもいる。これは大黒天ともいいインドの神である。
本名はマハーカーラであり、偉大なる暗黒を意味する。三面六臂の憤怒相でかなり恐ろしいビジュアルだ。
このインドの神は密教に取り入れられ大黒天となり、そして東アジアに移動して海をわたり日本に入ってきた。

そして「だいこく」が大国に通じるので大国主と混同され習合した。日本らしい展開である。
本来は青黒い皮膚をして腕が6本ある恐ろしい形相のインドの神が、なにがどうしたら米俵に乗って打ち出の小槌を持ったふくふくした福耳の笑顔の姿になったのか謎である。

小國神社 御朱印

標準的なスタイル。

小國神社 御朱印
小國神社 御朱印

遠州の食

さわやかのハンバーグ

これは遠州というよりも静岡の名物である。半生のげんこつハンバーグが有名で平日でも30分待ちの大盛況だ。
接客もよく人気なのも頷ける。ハンバーグも美味。しっかり焼いて欲しい人は注文時に言うとよい。

中はまだ赤い、だがそれがいい

浜松餃子

餃子といえば宇都宮だが、なぜだか知らぬが浜松も餃子で有名らしい。
浜松の駅ビルにあった錦華というお店で食した。たっぷりキャベツの健康っぽい餃子です。

野菜がたくさんのサッパリ味

浜名湖でうなぎ

浜名湖といえばうなぎ、うなぎといえば浜名湖である。
遠江(とおとうみ)とは遠淡海(とおつあわうみ)がなまったものと云われる。
遠淡海とは都から見て遠くにある淡水の湖のことであり、つまり浜名湖だ。
ちなみに近くの淡水湖は近江(琵琶湖)である。

浜名湖という名前は、松と古屋の間にあるかららしい。

東海道線を弁天島駅で下車。
過去に新幹線の車窓から何度も眺めた海と湖に挟まれた狭い土地に初めて降り立った。
\ドーーーーーーーッ/と大音量を発しながら新幹線が通過していく。

ノープランだ。グーグルでお店を調べる。浜菜坊というお店が目についたので行ってみた。
うな丼とうな重を注文。しっかりとした身と味わい、非常に美味であった。
店の雰囲気や接客も良く、★★★★★である。

浜名湖でうなぎを食す

今切、遠州灘

浜名湖くんだりまで来たので、遠州灘を見てみたい。
弁天島駅から今切まで歩くことにした。
そこで湖が切れて海とつながっている。

明応の頃というから今から500年くらい前のことである。
大きな地震と津波によって湖と海がつながり、浜名湖は汽水湖になった。
その場所は「今切れた」ので今切いまぎれと云う。

歩くこと30分くらいだろうか、目指す今切についた。
ここで浜名湖と遠州灘が接続している。その上には巨大な浜名大橋が掛かっている。

浜名大橋、巨大!

浜名バイパスと並行して巨大な防潮堤が続く。
進撃の巨人の海沿いの壁を思わせる構造物だ。
階段があったから登ってみた。

眼の前いっぱいに遠州灘が広がっていた。
遮るものは何もなく、荒涼とした砂浜が延々と続いている。
西の方を見ると遥か彼方に岬が見える。
あれはどこだろう。ひょっとしてまだ見ぬ志摩なのかもしれない。

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