高石神社 〜歌碑と蛙のお社〜
麻生区の高石一丁目、大規模マンションの裏手、小山の頂きに結構立派なお社が鎮座している。
その名も高石神社と云ふ。
ウチでは割と初詣で利用している。
津久井道からマンションの脇の激坂を登っていくと鳥居が現れる。
丸太を組んだような素朴な造り、たしか神明鳥居とかいうタイプだ。
左側には庚申塔が建っている。状態が良く、うっすらだが享保元年と読める。300年もここに立っているのか。
境内には歌碑が至るところに建ててある。
雲の峯 いくつ崩れて 月の山
こちらは有名な芭蕉の句だが、他はググってもわからない歌が多い。そもそも達筆すぎてほとんど読めないのだけど。
これらのたくさんの句碑はどうやら地元麻生の さざなみ会 という俳句結社のものらしい。
芭蕉の句を過ぎて坂道を少し登ると山の頂上につく。
実はこのルートは裏参道で、本来の参道は山の反対側だ。
頂上は平らに整地されていて社殿やら社務所やらが建っている。
参道の階段を登りきって左側に小さな池があり、その奥に三匹の石蛙が鎮座している。
高石神社名物の三蛙だ。
丸々とした蛙の腹にはそれぞれ、若 銭 福 と書かれていて、
若返る、銭かえる、福かえる
を表す。なんとも俗物なカエルである。
拝殿を正面にして右手に手水舎。ひょうきんな顔の獅子が口から水をじょろじょろ出している。
反対の左側には社務所やらなんやらが並ぶ。
関係者の車が駐車してあるが、開いているようには見えない。
何かあるときだけオープンするようだ。
正面に拝殿、奥の本殿と合わせて迚も立派な木造建物で、昭和50年頃の建築。
本殿の右側には 春日大明神 奉再造八幡大神宮 と彫られた石柱がある。
石柱の右側には 武刕橘樹郡稲毛領 と彫ってある。
本殿の左側は見晴らしがよく、千代ケ丘が一望できる。
祭神
祭神はメインが天照大神。
そこに熊野、春日、八幡も一緒に祀られている。
神社の由緒によると、
かつてこの地はお伊勢の森と呼ばれていて、社は伊勢宮と称していた。
後光明院の時、承応の頃というから江戸時代の初期に加賀美金右ヱ門という者がこのお社を建立した。
時代は下って、大正11年。地域に分散していた熊野や八幡その他諸々の神様を合祀遷宮。
更に下って、昭和50年代に今見る立派な姿となった。