生田でのくらしと全国一宮めぐり

九郎明神社 〜新百合の里山〜

世田谷の三茶で246から分かれる道がある。
世田谷通りとかセタドウとか云われるその道が多摩川を越えてウチの辺りでは津久井道と呼ばれる道となる。
その津久井道を新百合の古沢という交差点で横道に入ると、突然里山の風景になる。
東京の近郊とは思えない非常に田舎臭い、というか日本の一般的な景色が広がる。
大字と同じ名字の表札を出した家がたくさん見られる田舎道をしばらく進むとその神社の看板が現れる。

九郎明神社

公道なのか私道なのか私有地なのかよくわからん道を進むと左手に真っ赤な鳥居が見える。
その手前には立派な社務所。公民館的な役割を兼ねているらしい。
竹林に囲まれた山の斜面にこじんまりとした社が鎮座している。
祭神は九郎判官義経。
その昔義経がこの地で一夜を過ごし村人から歓待を受けたという。
で、13世紀頃にこの地に義経を祀ったらしい。

時代は下って天明の頃(18世紀の終わり頃)に再建され、久能社と呼ばれていた。
昭和50年代に出版された地誌によると、大正時代後期には既に九郎明神社という名前であった。
しかし大正時代の調査では祭神は不詳で、大正11年3月15日九郎明神社へ無格社天神社同熊野社同稲荷社を合併。とあり、義経を祀っているという記述はない。
九郎判官がキャッチーだから後年そういう設定になったのかもしれない。